子供への期待が育児ストレスを産む

お母さんが「わが子にイライラする」というとき、そこには「子どもが自分の都合どおり、予定どおりに動いてくれない」「子どもが自分の期待にこたえてくれない」という心理が働いてはいないでしょうか。

たとえば、「やることがのろい」子や「内気」な子は概してマイナスに評価されがちです。むろん、これもその子の個性として見守ってやりたいところですが、親の立場になると、なかなか認めがたいようです。そこには、「こういう子であってほしい」という、親の子どもに対する期待が大きく作用しているからですね。特にいま、子どもは「健康で、活発で、意欲と自主性がある子」がいいとされ、育児雑誌でも、そうした子に育てるにはどうしたらいいのか、という情報があふれています。自分の子どもがたまたまこうした範濤に入らない子どもだったりすると、それゆえに子どもがかわいくないと思ったり、毎日イライラしてしまう……。そんな面はないでしょうか。

赤ちゃん時代は、お母さんが育児についての自信を獲得したり、赤ちゃんとのいい関係を結んでいくために、赤ちゃん自身の「反応のあらわれやすさ」が一つのポイントになっていました。これを幼児期には、「期待にこたえてくれるか、くれないか」と読みかえていくことができます。自分の言うことをすなおに聞き、実行してくれる子は受け入れやすいけれど、聞き分けがない子は扱いにくいし、愛情が持ちにくい、さらには育児そのものがいやになる。:…。お母さんの心には、実はこんな心理もひそんでいると思われます。

期待の大きい長女の子育ては楽しめない

こうした傾向は、とりわけ長子に対してよく見られます。
お母さんたち自身がよくご存じのように、最初の子は何もわからないだけに、期待も大きくなりがちです。「いい子に育てたい」「こんな子に育ってほしい」という思いは強く、それだけに「期待にこたえてくれない」と感じたときの親のいら立ちはまた大きくなってしまいますね。言いたくないと思いながらも、「早くしなさい」「もっと○○しなさい」などと大声を張り上げることもしばしば。特にしつけ熱心なお母さんほど、こうして子どもが期待どおりに動かないとイライラする傾向が強いようです。

実際、お母さんに話を聞くと、「最初の子はゆとりがなくて、かわいいというよりも、たいへんだとい産フ思いのほうが強かった」「育児を楽しめなかった」などの声がよく聞かれます。中には「いつも宿題に追われているような気分で、抱いていても、かわいいなぁという感情にゆっくりひたっていられなかった」という声までありました。

「理想の育児」「理想の子ども」という思い込みが強すぎると、育児そのものが楽しくなくなる危険はとても大きいと言わざるをえないのです。

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